書き忘れてましたが、元日に「アバター」を観ました。もちろん3D上映の方でです。キャメロン大先生12年ぶりの新作、果たしてどんなもんかいなとワクワクしながら視聴に臨んだわけですが、期待に違わぬその出来に感嘆しました。3Dの映像は最初「んん!?」と戸惑いましたが、すぐに慣れて映画の世界に引き込まれました。とくに高所から飛び降りるシーンや火の粉や花粉が舞うシーンは3Dならではの臨場感を堪能出来て素晴らしかったです。画面に対して近過ぎず遠過ぎずの良い席で視聴に臨めたのも良かったのかもしれません。ラストの一大空中戦ではもうグゥの音も出ない迫力に圧倒されました。これから観ようという方は是非3D上映で、映画館の前から6番目真ん中ぐらいの位置で観て下さい。マジでたまげます。従来の2D上映も行われているようですが断然3D上映の方をオススメします。

 肝心のストーリーの方も手堅い作りで、2時間以上あるにも関わらず飽きる事なく観れました。ただし3Dの効力あっての2時間半という気もするので、初見が2D上映の方だったらチョット長く感じてしまったかもしれません。また、お客さんに映像に集中してもらうためかストーリー展開が分かり易く、キャラクターの描き分けも明快です。(おそらく小学校中学年くらいでも理解出来る話です。)キャメロンの過去の作品に散見された濃密なエログロ変態描写が皆無なのは仕方が無いと分かっていても寂しいものが有ります。ただしトランスフォーマーのように意味の無いシーンがダラダラ続いたり、ターミネーター4のように肝心な所が全然足りてない感じがしなかったのは、さすがキャメロン監督です。主人公の内面や心情の変化も過不足なくキッチリ描かれていて好感が持てました。その主人公を演じるサム・ワーシントンはターミネーター4で主演だったにも関わらず全くの魅力薄で可哀想でしたが、今回は役者としての本領発揮という感じが出ていて嬉しかったです。アバターにのめり込み過ぎて痩せていく所なんか実に「らしさ」と、人間の悲哀が感じられてグっと来ました。

 また何より印象的だったのは物語の舞台となる惑星「パンドラ」の描写です。どこを切ってもキチガイじみた密度でデザイン、映像化されていて監督の妄念が伺えます。広大な原生林に群生する大小の怪獣、怪植物も、ややデジャヴ感の有るデザインながらキッチリ動き、各々意外なほど見せ場を用意されている所も嬉しいです。主人公が生体アバターを使って潜入する先住民族「ナヴィ族」も、いわゆる獣人としてはオーソドックスなデザインながら、弁髪(?)の先端の触手を動植物に接続してコミュニケーションを図るというギミックが非常に秀逸で感心しました。痩身、高身長なプロポーションはフルCGキャラクターならではですが、皮膚の質感や表情などはそれと感じさせないよう細心の注意が行届いており感情移入に足るキャラクターになっていました。とくにナヴィ族のネイティリ姫は、出てきた当初は他のナヴィと見分けがつかないレベルなのに、ドラマの進行と共にどんどんセクシーで可愛く観えてくる凄いキャラでした。(しかもツンデレ。)図らずもネイティリに萌えてしまった日本人観客は少なくないでしょう。彼女もまたキャメロン作品のお約束である「強く気高い戦う女」である事も忘れちゃいけないポイントです。年取っても好みの女性のタイプが一貫してる所にキャメロンのスケベ魂が感じられて泣けてきます。

 緻密なパンドラやナヴィの描写に比べて「侵略者」である人間側の描写は、やや大味な感じがしました。「アビス」のコフィーみたいなキチガイ軍人や「エイリアン2」のバークのような会社のワンコ君が出てくるのでニヤリとさせられますが、ナヴィ達への感情移入を促すためか、かなり明快な悪役として描かれています。とくに前述のキチガイ軍人は人類の凶暴さを一手に引き受けたような憎まれ役なので、ある意味痛快ですが、いかんせん馬鹿過ぎるのは賛否の分かれる所でしょう。また、恒星間飛行や生体アバターを作れるテクノロジーが有るにも関わらず、パンドラ攻略に投入される兵器群が超アナログなのも気になる人には気になるようです。無人のロボットでも投下すりゃ良い所を、半そでの歩兵を送って案の定全滅という「スターシップ・トゥルーパーズ」の悲劇が今回も起こっていますが、やはり理屈より見栄えという事なのでしょう。確かに「エイリアン2」の死ぬほど格好良いドロップシップやパワーローダーの進化したような兵器が画面に登場した時は理屈を通り越した感動を味わえました。それらが3Dで飛びまくり動きまくるわけですから眼福の極みです。さらにクライマックスではそれら兵器群と、ナヴィ&パンドラ怪獣軍団の凄まじい総力戦が展開し、マジで失禁するかと思いました。SF映画&怪獣映画好きはあのシーンだけでチケット代1800円のモトが取れると断言します。どうか映画館で堪能して下さい。そして人間より怪獣達を応援してしまう不思議な体験に酔って下さい。

 さて長々と書いてしまいましたが、「アバター」は革新的な映画でありつつ、人物やクリーチャー、兵器描写にはしっかりと従来の「キャメロン印」が刻印されていた事に自分は安心感を憶えました。キャメロン監督自身も、今回の作品を製作するにあたり、誰も観た事が無い映画を模索する一方で、自分がどういうものが好きなのか?どういうものが観たいのか?と、自問し、頭の引き出しを整理したのではないかと思います。前述の「アビス」や「エイリアン2」の要素を思うと、キャメロン監督の「新しい事をやりつつ、自分の好きなものをもう1度総括しよう」という意志が感じられます。そしてそれは見事に成し遂げられたと言って良いでしょう。「アバター」でキャメロン監督の引き出しがカラになってしまったのかどうかは分かりませんが、総括の後にこそ全く新しいものが生まれるのだと思います。次回作が観れるのはまた12年後かもしれませんが、楽しみに待っていたいと思います。

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 惑星パンドラの先住民族〝ナヴィ〟の女性を描いてみました。獣人としては割とオーソドックスなデザインながら、青い肌によって宇宙人っぽさも加味。どことなくエジプシャンな要素も感じられて絶妙のデザインですね。劇中の躍動する姿を観ている内にどんどん好きになりました。部族の姫(まさに、もののけ姫)ネイティリも美しくて良かったです。ナヴィってエルフとか好きな人は結構グっと来るんじゃないかな…。案の定ピクシブで「ネイティリたん」みたいなのも観たし、あそこまでネイティリでモエモエ出来る民族は地球上探しても日本人だけでしょう……。

 ナヴィやパンドラの動植物は夜になると部分的に体が発光するのも格好良いポイントです。そういえば「アビス」に出てきたクリーチャーも発光してましたね。キャメロン監督はメカにしても女性のタイプにしても好きなものが一貫してます。ブレないオタクは格好良い!